夏の波止政
●釣行日 :2016年8月12日
●ポイント(場所):鳥取県内漁港
カルティバテスター 岸信 直彦
●使用ルアー/ジグ :ダイビングペンシル16cm48g(フローティングタイプ)
●使用フック/サイズ:ST-56 #1/0
●魚種/全長(cm) :ヒラマサ
●タックル :
■ロッド:C3 Shore11 / Bouz Production
■リール:ステラSW5000PG / シマノ
■ライン:PEライン2号
■リーダー:ナイロンリーダー40lbクラス
「青物が、カマスかサヨリについてボイルしとるんですけど、どうやって狙ろうたら良いんですか?」と釣友。
数日後、その釣友が「初めて釣りました!」という70クラスのヒラマサを見せてくれた。しかし、それ以降はヒットしてもバレたりブレイクしたりで次の1尾が遠く、悔しくて悔しくて仕方ないらしい。
ちなみに、その釣友は職場の同僚である。そこで、仕事の合間に「私ならこうやる!」的なことをいくつか伝えてみた。しかし、できることなら口での説明ではなく、実際にそのフィールドに立って攻略法をレクチャーしたいと思っていた。ところが、何かと忙しい時期に突入しており、早朝のわずかな時間すら捻出できないとても歯がゆい日々が続いた。
そんな中、何とか捻出できた朝まづめの貴重な貴重な数時間。
たとえ魚は出なくても、「口で説明するより、少しはましなレクチャーが出来るやろ!」程度に考え、日ごろライトな波止ジグを楽しむ時よりも、チョットだけヘビーなタックルを携えポイントに立った。一方では、「あわよくば実際に釣ったろ!」と目論んでいたのだ。
一時よりもボイルやバイトの数が減ってきているものの、「まだイケる思いますよ!」とのことだったのだが果たして!?
日の出前の暗い時間帯には40クラスの大カマスが釣れており、水面にはミニサイズのサヨリの姿がチラホラと見受けられた。
「ベイトは~多分カマスやね!」と、用意したルアーは16cmのダイビングペンシル。「STX-58を!」と思い持ってきたフックが「ST-56」だったという、なんとも情けないひじょーにお粗末な出だしとなったが、とにかくキャスト可能な範囲を丁寧に探ってみることにした。
時折、ルアーが届くか届かないかのラインでボイルする青物。一方、ヒラマサのベイトだと想定したカマスのスクールは、波止の基礎部分と沖の砂地との境あたりで群れを成しているようだ。
「カマスがベイトなら、沖のボイルを狙うよりも波止際に沿って探った方がエエんとちゃうやろか!?」
そんなことが頭をよぎった、ゲームを初めてから小一時間が経った頃のこと。足元の波止際を、一尾のヒラマサ(70~80クラス)が横切った。
「あ! やっぱ居てるんや!」
幸い、早朝とはいえ真夏の波止はほぼ貸切状態。「ここぞ!」とばかりに、波止の形状に沿うような形でダイペンをキャストし、大振り&下方向のロッドアクションでダイブ&浮上を繰り返した。
「バシャン!!」
「バッシャーーーン!!」でも「バッコーーーーン!」でもない、派手さの無いお淑やかなバイトだったが、狙い通りの探り方で出た反応に思わずニンマリしながら、件の釣友に「出たっ!!」と伝えやり取りをスタート。
「小刻みな単発のフッキングじゃなくて、ロッドのベントを活かした大振りのフッキングを3~4回加えるイメージで!」とか、「足場の高いところでロッドを立ててプレッシャーをかけると、相手も反発して反対方向のボトムに向かうんで、波止の基礎のケーソンで根ズレしてブレイクしちゃうよ!」「水面と水平方向にロッドを倒してやり取りすると、魚も水平方向に泳ぎがちになるんで根ズレしにくくなるよ!」などなど…。
事前の職場でのレクチャーで伝えたことを実際に見てもらいながら、その釣友が差し出すネットに収まったのは、「ベイト食っとるなぁ~!」といった感じでコンディション抜群のヒラマサ。豆ヒラクラスが多い時期にしては、「良型」と言っても良いとても嬉しい一尾である。
ようやく捻出できた貴重な時間での、貴重な一尾に心から満足する一方で…。
「単なる、頭でっかちの能書きジジィにならずに済んだ!」
次は、職場の同僚である釣友に、「釣れた!」ではない「釣ったった!」と思える一尾を獲って欲しいと、心から願っているところだ。
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