憧れをいだいて24年後
●釣行日:2020年10月16日
●ポイント(場所):男女群島
●お名前:上津原 勉
●使用ルアー/ジグ:ダイビングペンシル
●使用フック/サイズ:ST66 4/0、3/0
●魚種/全長(cm):カンパチ26.3kg
私が初めてこの撃投ブログに投稿させて頂いたのは2012年5月。
男女の渡船の上で担当者さんにお声がけいただいて、それがきっかけで男女のキハダの投稿をさせてもらいました。
あれから9年。
ST66をひん曲げる魚を釣り上げることができたのですが、いくつかの媒体で既に発表されていることを、どう書こうか、どうしたもんか、それとも書くまいか、考え続けて年内最終日、少々長くなってしましますが、ここだからこそお伝えしたいことを書こうと思います。
はじめてあじか磯釣りセンターさんに父に連れて行ってもらったのは24年前の高校生の時です。
当時五島専用だった「ニューあじか」に少人数乗り込み上五島へ行きました。
五島で初めて乗った磯は、帆上の平瀬。スパイクの効かない夏の熱い磯。
磯際にはイサキがびっしり。
その光景にびっくりしましたが、ちゃんと磯際の吸い込む流れに仕掛けを乗せないと食ってこない。
その見えてるイサキをとにかく夢中で釣りまくりました。
翌年の夏の終わり頃、どうしてもイシダイが釣ってみたくなり、恐る恐る父に言ってみると、父は乗り気でした。
フカセ釣りが大好きでしたが、底物師がかっちょよくぶら下げているあの縞々とかギンギンのイシダイがかっちょよく見えてたまりませんでした。
私は貯金をはたいて、石鯛用のリールと20号の道糸、瀬ズレワイヤ、既製品のワイヤ付き石鯛バリなど、石鯛用であろうそれらしき道具を買いました。
どうしてもお金が足りず、ピトンは父が買ってくれました。
あじかさんでガンガゼと赤貝チップを買って、上五島の平島の西のカドにあげてもらい、カゴ釣り用の5号の竿に石鯛リールをセットして、ガンガゼを付けてとりあえず投げてみました。
なんだかよくわからないですが、初めてのことにワクワクしっぱないしで、赤貝チップをスコップで撒くと、イスズミの大群がウワァーっと集まってきて、ムシャムシャ食べられていきました。
ここに撒き餌をまいてもガンガゼを投げてるとこに全然いかないなとか思いながら、置き竿の横でフカセもやっていると、置き竿の穂先が海面に向かって突っ込んでいるではありませんか!
竿に飛びついて夢中で浮かせた魚は45cmくらいのイシダイ。
まさかいきなり釣れるなんて、ホント感動しましたし、やれば釣れるんだなとびっくりしたのを覚えています。
こんな感じで、以前はフカセなど上物で磯釣りを始めて、そのうち底物もやる、というような流れがありました。
波がある日、波打ち際に落とした物や、波にさらわれそうになったバッカンなんかを、絶対に取りに行くなと怒鳴ってくれる人もいましたし、船上でもたもたしていたらすぐに怒鳴られた時代ですし、でもその雰囲気が好きで、磯に行っているうちに自然と色んなことを覚えていったように記憶しています。
最近は青物狙いの若いルアーアングラーが非常に多くなったのが一目瞭然で、びっくりするほどです。
以前このブログで書かせて頂いたことがあるのですが、磯での釣りに本気で取り組まれているこの撃投ブログだからこそこれを書くのですが、ルアーだけで磯を訪れる方々に是非お勧めしたいのは、エサ釣りです。
釣りは自由なので、あくまで選択肢の一つとしてですが、何でもいいんです。
上物、底物、泳がせ、デッドベイト、虫ヘッド・・・なんでもいいので是非ルアー以外も楽しんで頂きたいと願っています。
磯にはすごく魚がいっぱいいて、シンプルに楽しいですよ。
そんなこんなで、あじかさんに初めてお世話になったあの日、以前の待合室の天井や壁一面に貼ってあったデカイ魚の魚拓をみて、「いつかここに魚拓を飾ってもらえるようなデカイ魚を釣ってみたいな」と憧れの気持ちを抱いてから24年後、ようやく魚拓をとってもいいかなと思える魚を釣り上げることができました。
あの待合室の魚拓を見て、魚に、磯に、憧れてきたので、磯名も入れてもらいました。
担当者さんのヒラマサの魚拓をみて、自分もフックを絶対に入れようと思っていたので、フックもいれてもらいました。
危険を承知のうえで、自分自身も鍛えてセルフランディングに拘り、試行錯誤を繰り返し、フライングギャフで一人で取り組むにはどうしてもカエシが欲しくて、ステンレス加工ができるJUN先生のお力をお借りして、ギャフにカエシを作りました。
私自身ステンレス加工に関しては全くの素人で、最初は熱したギャフを針の様に切り込みを入れてカエシを作ろうとしたんですが、切ろうとしたペンチが熱で溶け、その時ちょっとできたカエシは強度不足でポッロっと取れたので、溶接で肉を盛ってもらい、カエシの形に削りました。
しかし、カエシの位置が、もう調整したくなってきています。
重いものを持ち上げるにはロープは太くないと手が痛すぎますし、試しに手袋なしで50kgをロープで引き揚げようとしたら、ごく普通である私の手は、手の平の皮の下が剥離したのか大規模に内出血をしたので、グローブ絶対要るわ、と納得したりもしました。
今回はクロロプレングローブの上からロープが当たっていた手の甲が、ロープの形に皮が剥げ、肉がつぶれたような、変な傷がいつの間にかできていました。
いろいろあってギャフの柄が折れまして、それを割りばしで補強して、翌日の夜に割りばし補強ギャフでアラを取り込んだのがとてもいい思い出になりました。
これまで、試行錯誤を楽しんでいろいろやってきましたが、魚がデカい程、ランディングスタート時の体力は消耗しているはずです。
セルフランディングでずり上げ出来る場所ならまだしも、垂直リフトアップをどれくらいの高さまでできるか、とてもじゃないですが、50kgの魚をもし浮かせることができても、今の自分には取り込めない事をはっきりと自覚しました。ランディングが一番きついし一番危ない。
考えるべきこと、試してみたいことが増え続けて消化不良続きですが、磯にこだわって、安全第一で、挑戦し続けたいと思います。
以前お話に出ていた撃投ワッペンですが、有難いことにだいぶ前に黒の撃投ワッペンを頂いており、大切に保管しておりますので、新たに20kgオーバーの青物の投稿をされる方にお渡し頂ければと思います。
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