【担当者より】・急に隠岐に行きたくなった。
●釣行日 :2015年10月17日
●釣行エリア :隠岐
●氏名 :担当者
●使用ルアー/ジグ :撃投ジグ105~125
●使用フック/サイズ:ロック7/0一本
●魚種/全長(cm) :ヒラマサ約65センチ、アコウ50センチオーバー
急に隠岐に行きたくなった。久しぶりに無性に行きたくなってたまらなくなった。晴れた金曜日の朝、会社に出勤する車中でのことだ。
秋の山陰の独特の雰囲気が好きだというのもある。思いついたときは行くべきなのだ。
なにかの必然がある。
「お久しぶりです。明日、日帰り便ありますか?僕ひとりなんですけど…」
と船長に電話してみた。
どうやら他にも何人か日帰りの人がいる様子で、1時あがりでよければ来てくださいと船長は言ってくれた。道具は車に積みっぱなしだし、急遽隠岐行き決定だ。
仕事が終わり、滝野社インターから中国道を西へ。途中、作用インターから鳥取道にはいる。鳥取市内で、昔担当させていただいてた馴染みの釣具店、まやま釣具さんに立ち寄り少し昔ばなしをしたり氷を購入したり…。
そのあとは日本海に沿って西へ一般道をひた走る。出船は25時だから、一般道を走った方が費用の節約になるからだ。途中まだ建設中の山陰道の無料区間を断続的に使用できるから思った程は運転疲れはなくてすむ。
関西から隠岐に行かれるならこのルートはお勧めです。(ただし帰路は余裕があれば高速をどうぞ。今回私は寄る年波か、疲れが出てしまい、少し後悔。ちなみに神戸から全て下道でいくと約七時間です。)
天神川、日野川を越え、米子へ。鳥取の西端、境水道大橋を渡れば、もう七類(しちるい)フェリーターミナルまでは5分ほど。お世話になる浜吉丸さんはこのフェリーターミナルビルと同じ岸壁から出船します。隠岐行きフェリー発着岸壁の湾奥側200メートルほどのところが乗場だ。
今回は大森島の「大森南」という足場が直感的た予感したが、船長と話すうちにまだ乗ったことのない足場にも乗ってみたくなり松島の「ホトケ」へ。いままではどうしても実績の高い大森島、二股島、船島、に片寄っていた。
新しいところに、なにか新鮮な気持ちで行ってみたくなった。
「吉成さーん」
船のなかでいつものように爆睡していたら、マイクで呼ばれた。
着いたようだ。
さっそく船倉から自分の荷物を全て出す。ホトケさんの形をしているように見える岩が目印の「ホトケ」に初渡礁
まだ深夜3時半。視認可能な時間は6時ごろだろう。真っ暗なホトケでひとりでボーッと星を見てみたり、バナナを食べてみたりしながら1日のプランを考えてみる。
四時半ごろ、やっぱり暇だからPE 1、2号のライトタックルをセットし、サクラドロップ45グラムを軽く投げてみる。
立ち位置から大森島向きに投げたり、二股島向きに投げたり地方に向けてなげたり…。向きによっては水深が相当ある。逆に向きによっては極端に浅い。ハードなブレイクラインもある。オーバーハングもある。ゴロタもある。
今回気づいたことがある。ショアラバは道具がライトだから、水深や、ボトムの状況(起伏や底質なと)が手に取るようにわかる(※)。
まだ視認できない暗い時間帯にもかかわらず、初めての足場からポイントの状況を大まかに把握することにつながった。これはかなりのメリットでした。
「こりゃジグでデカイの来て左に走られたらアウトやな。足元もちょうどリーダーの長さくらいのところで出っ張りがある。ここは呼吸を止めて一気に浮かそう」
とか、釣りのイメージがすでにできる。ひいてはタックルの組み立てのイメージングにショアラバは極めて役に立つ。
しかも夜が明けて青物タックルにもちかえたときにはすでに体や意識が「釣りをする感覚」になれている。ウォーミングアップが完了している感じというか、リールを巻いたり、ボトムをとったり…という繊細な感覚にに馴れていることが、そのあとの釣りをスムーズにした。それは大きなメリットだった。
夜が明けるまで反応が全くないままタイラバを投げてみた。しかし、一度だけアタリがあり、持参していた3つのサクラドロップのうち1つは、得体の知れないトルクフルな魚に持っていかれ根ズレで切られた。なすすべもない。
磯からショアラバに使うなら、鯛だけではない。船から鯛だけを狙って「落とす」釣りではない。なにが来るかわからない。タックルについて少しトータルバランス意識を変えなければいけないな…と思った。
うっすら夜が明けて、まずはポッパー。リズムを変えて、向きを変え、泡の引き方を変えて合わせて約8投。反応なし。
次にグリグリ系ダイペンを約5投。ダイペン大きなS字系を約5投。
立ち位置かからはるか沖向こうに小さくに見えている二股島をつなぐライン。
そのラインが急激なシャロー化ブレイクラインのようだ
慎重に引いてくる。
しかし反応なし。
次にサクラドロップ45㌘を3方向に投げてみる。
3方向とも、夜中に感じたのと変わらない水圧が掛かる。潮は微かに動いている程度で、上潮は風に押されて逆に流れている。ライトタックルで沈下していくラインは、おおざっばな青物タックルでは感知できない繊細な海の中を伝えてくれる。
「夜中からこの状態が同じまま続いてる。それでいま青物は反応なし。ならばなにかが変化したときに集中しよう」
サクラドロップをリーリング回収しながらそう思えた。
次はジグだ。大森島向きにジグを投入。フルキャストで水深は30メートル位か?隠岐で使用するジグはほとんどGJ。それにロック7/0を1本。GJ105、125で潮の変化したときに水圧を感覚的に捉えたい。ロングフォールに反応する魚もいるかも知れないから、たまにGJL(レベル)も投げる。しかし、レベルでは潮をつかみにくく、その繊細な潮の変化を捉えにくいから、すぐに撃投(GJ)に戻す。
ジグをもろもろ合わせて約20投。そしてまた最初のトップに戻る。
①トップほか(ポッパー、ダイペン、ミノー系)各種約15投→②ショアラバ2~3投→③ジグ各種約10投
この①②③を、それぞれ、1投ごとに必ず、なにかを変える。
なにかとは、投げる方向、距離、着水や着底直後のワンアクション、ジャークの間、リズムの種類、ルアーの種類、色、レンジ、ジャークの緩急「強→弱」「弱→強」。ダイブの長さ、直後のポーズの時間。とにかくなにかを変えながら
それをワンセットで繰り返す。
しかし、なにも起こらない時間が続く。
時間を見たらすでに10時半。もうあと二時間半で迎えが来る。
変化を感じたのはこのころだ。60メートルほど沖に投げフォールしていくショアラバの糸の出が速くなってきている。それは、ジグでは分からない繊細な違いだ。
すると、その直後に、フックには掛からなかったが「ガガガッ」っと何者かのアタリ。
次のキャストでは、なんと回収するサクラドロップにツバス?豆ヒラ?が足元まで追尾してきた。もう少しで食いそうな追尾だった。
明らかに水中のなにか変わってきたようだ。
すぐにタックルを①にもちかえてキャスト。5投反応なし。そしてジグにチェンジ。
着底3しゃくり目で何かがのった。最初はグングンと引き込んだがそのあとはひたすら重い。底物確定だ。
50センチを超える巨大アコウだった。ロックは彼の右ほほにアウトセットだったが、ロックの大きなカエシがかなりガッチリ刺さっていて、外すのに手間取る。
時合かもしれない。アコウを迅速に締めて。大森島向きにすぐに同じGJ105スローゼブラを投げる。
水中に、撃投PE5号1メートルピッチのマーカーが吸い込まれていく。そのマーカーリズム感の変化で、また少し、潮が効いてきたことが、はっきりわかる。ジグが落ちていくというより、潮によってジグが引かれ、吸い込まれていくライン…。活きてきている。
数投目、15シャクリ目くらいにグうん!!と躍動感が伝わった。乗った。感触的に、それほど大きくないが逃がしたくない。タックルは5号タックル。ぐいぐい巻き上げ、そのまま抜きあげた。ヒラマサ約65センチ。
もっとデカイのが必ずいるはずだ。速攻でナイフで締めて潮溜まりにおいたら、すぐにトップに変える。ブレイクラインあたりを慎重に引いてくる。この時間帯、強めの風と波があり、ルアーも、追尾も視認できない。
時合いを感じて気持ちは焦るが光が反射して視認しやすいクリアシルバーのダイペンに変えた。数投目、水面に大きな反転泡がひろがりルアーにバイトの感触が残った。しかし、ハリには触ってくれなかった。なにかが気にくわなかったんだろう…。悔しい。
そのあと同じルアーを1回だけ投げたが、反応なし。すぐにフォローでシンキングペンシルにしてロッドをたててリールだけで水面直下を巻く。
これも反応なし。
わざと少しコースを変えて、さっきのバイトがあったポイントを外し、そのポイントをVの字に挟むようにして、小さめのダイペンを2投づつ。
そして、少し間をおいて、さっきのバイトの少し沖へ…
それでどうだ?…
しかし、反応なし。
そしてまた、ジグに変える。
なんの釣りでも時合いは短い間時間だと想定しているから、反応するファクター探しに気持ちは慌ただしい。
ジグを15投位しただろうか?
やはり反応はない。
大型が来たら、掛かっても獲れないことは分かっているが禁断の二股島向けにもジグを投げてみた。
しかしこれも反応なし。またトップに戻る。今度はウッド系。
そうこうしているうちに、回収予定時間の30分前。いま使っている道具をタックル以外全てかたずけてトップのみで粘る。
しかし、反応はなく、ほどなく本日はこれで終了することにした。
集中できましたし、満喫できました。片付けて、渡船の迎えを待つときの甘めのお酒が疲れに効きます。帰りの船で熟睡できそう。
懐かしいお店にも立ち寄り、好きな道を走り、釣り場にむかい。
船長と話し期待とともに船に乗り、磯にわたり夜明けを待つ。
楽しかった釣りを終え、帰路につく。そしてこれを書く。読んでくれた人がまたいろんなところに釣りに行き、レポートをくれたりする。釣ったアコウはスーパーで鍋用にさばいてもらった。スーパーの人が言った「ほおぅ~」。たぶんうまい。
そういえば、今回、仮眠しようと渡船乗場駐車場に車を停めていたら、近くの車から降りて準備を始めた人が撃投Tシャツを着ていたので声をかけさせていただきました。そしたら、隠岐のレポートをくれた佐藤さんでした。
佐藤さんは大森島に渡り、いい釣りをした様子です。恐らくレポートくれるでしょう。
秋の隠岐。釣り場も広いし。一発大物があるし、アクセスもいいしお勧めです。日帰り可能な離島です。
釣りは旅。って感じがします。
釣りを趣味にしていてよかったと、今回も思える旅でした(日帰りだけど(笑))。また近いうちに行くと思います。隠岐に行かれるかた、見かけたら声かけてください。
※、タイラバのシンカーはよくできている。キャストして斜めに引くと(船とは違い)、リーダーの挿入部分の少し下、玉の角がボトムをまず関知します。コン!コン!というボトムノックを明確に伝えてくれます。玉決まったところにのみキズがついています。
鯛を釣りたいわけではなく、釣れたらなんでもいい。五目でいい。そして何よりも、釣りを開始する前、途中、海中を確認する道具として使うことができます。
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