担当者2より【吐噶喇列島に挑む】
鹿児島県十島村吐噶喇(トカラ)列島。
ロックショアを嗜む者にはショアGTの聖地とされる場所。
週2回しか出航しないフェリーでしかアクセスできないため釣行難度が高く、日本最後の秘境と言われています。
以前から行きたいと思っていたものの、行きづらさを示したランクでトカラは最高僻地5級地とされるほど通常の離島とは全く違うという認識。
島のマナーや立ち振る舞い方を知らなくては島民や現地に通う釣り人に迷惑がかかるのでは…となかなか一歩を踏み出せずにいました。
この度釣行できたのは、トカラに数えきれないほど訪れている大先達のカルティバフィールドテスター堀有宏さんからお声掛けいただいたのがきっかけ。
初めてのトカラでしかも大先達にアテンドしていただくまたとない機会ですので、どちらかと言えば釣ることを目的とするのではなく、島を学ぶ、島を楽しむために、4/4~4/7の行程で釣行してきました。
釣行レポートに入る前に、まず皆様にお伝えしておきたいことは、
「普通の島とは全く違う感覚で釣行して欲しい」
ということ。
トカラは各島人口が100人前後の小さな島で、食料品がフェリーでしか流通せず、10日以上もフェリーが欠航することがある島。
必ずしも全ての釣り人を歓迎しているワケではありません。
島民に対して「島に遊びに来させていただいている」というぐらいの謙虚な気持ちで訪れるのが望ましい。
過去に島民に歓迎されなくなった釣り人の話を聞きましたが、トカラという島を理解していないがゆえの自分勝手な行動をとった結果。
このブログを普段からご覧いただいている方は大丈夫だと思いますが、もし新たにこの秘境へ挑まれる方は、くれぐれも島へのリスペクトをお忘れなく。
* * * * *
4月4日(金)、神戸空港15:10発のスカイマークに乗り、鹿児島空港へ。
その後リムジンバスで鹿児島市内天文館付近へ移動。
そこで堀さんの友人Yさんと合流し、一旦フェリーとしま乗り場へ行き、乗船受付と荷物の預け(注:竿は客室には持って入れません)を済ませ、温泉錦湯という昭和レトロな銭湯で風呂に入った後は、乗船開始時間が近づくまでは天文館のおすすめ居酒屋で鹿児島名物に舌鼓を打ち、22時に乗船。
この移動日も満喫するスタイル、大好きです(笑)
鹿児島港を出船するのは23時。
フェリーで堀さんの友人のKさんと合流。
軽く食堂で一杯やってから客室へ。
今回私は二等席を予約しましたが、枕、マットレス、毛布が揃っていて快適だったものの、諸事情で背中が痛く、花粉症で鼻づまりがひどく、また周囲の環境もあってなかなか入眠できず。
目的地の口之島までは約6時間ありましたが、あまり寝れないまま翌朝5時に島へ到着。
睡眠導入剤を用意しておけばと後悔。
今回お世話になった宿は、民宿なかむらさん。
フェリー発着場まで歩いて行け、海までのアクセスが抜群なうえ、綺麗な室内、風呂場、美味しい食事、ウォシュレット完備と僻地感が全くない素晴らしい宿です。
堀さんが定宿にしているのも納得。
一度宿にチェックインし、部屋でゆっくり釣りの準備。
その後、磯へ向かい、釣りを開始。
ちなみに一昨年前にこの磯で堀さんが↓のモンスターイソンボをキャッチしています。
沖では潮が左から右へ良く流れており、私達の前に潮のヨレが広がっていて、いかにも釣れそうな場所。
まずはポッパーのビギン+STX-60#5/0のスローポッピングで活性の高い個体を狙いますが、堀さんもKさんもポッパーは使わず、カフカやアクトなどの大人しめのルアーを投げています。
これには理由があり、後述します。
しばらく投げ続けていると、ビギンに何かの大型魚(夜、宿でGOPROの映像を堀さんに確認してもらったところ、この魚はサメと特定)がバイトしてきましたが…サワラカッターのようにノーテンションでラインブレイク。
幸いリーダーを20cmほど噛み切られただけで、ルアーは浮いていたので回収して釣りを再開。
トカラといえども、相手が相手だけにそう簡単には反応してくれません。
反応がなくても、潮が程よく流れる中、視界内に大型のサメが跳ねたり、謎の巨大水柱が突如上がったりするので、モチベーションは下がりません。
ちなみに朝食は宿が作ってくれたオニギリ。
トカラでは基本的に商店がほぼ無いので、食事は全て宿からの提供となり、今回の行程では1泊5食となります。
Kさんがカスミアジを釣り、次は私…と意気込んでルアーローテしながら投げて続けます。
遠投性能が効くカフカ+STX-68#4/0を少し潮上に投げ、潮に乗せながら潮がヨレて鏡のようになった付近で「キラッキラッ」とフラッシングによる集魚効果を意識しながらダイブを続けていると、着水後の数ジャークで今まで見たことないような水柱が上がり、そして一気にロッドを引っ手繰られてました。
慌てて合わせを入れますが、足場が良かったのでそれなりに締め込んだドラグから激しくラインが引き出されていきます。
シモリの沖で掛けてしまい、走られると根ズレの確率は高くなるため、さらにドラグを締めつつ止めようとしますが…なす術もなくラインブレイク。
PE8号、スペーサーPE25号10m、リーダーフロロ40号のシステムでしたが、メインラインでざっくり切られてしまいました。
後に堀さんから「あれはGTかイソンボ。人生最大魚やったと思うよ」と言われ、獲れなかった後悔と魚への申し訳なさはもちろんありますが、正直なところあの時どう対応するのが正解だったのかと今でもずっと悩んでいます。
その後、アクト+ST-66にカスミアジがヒット。
しかし、その後は潮が緩んで魚の反応は途絶えました。
潮がなくても、活性が低くても、相手は魚。
何かの拍子で食うかもしれません。
絶対はありません。
次の一投でもしかしたら一生モノのヒットがあるかもしれない。
憧れの大魚が泳ぐ夢の海で竿が出せている喜びを噛みしめながら、後悔しないよう投げ倒します。
最後のバイトはビギンに。
スローポッピングを繰り返していると、全身を飛び出しながらルアーに襲い掛かったのは、またしてもサメ。
あっさりとルアーを奪われ、その日の釣りは終了となりました。
ちなみにトカラにはサメが多く、ポッパーのスローポッピングが大好物とのこと笑
なので堀さんもKさんも使用を控えていました。
しかしGTもポッパーが好きなので、サメがいない状況を見極めて使うべきだと反省。
宿へ戻り、翌日の準備をして夕食とお風呂。
食後は港へ夜釣に行こうと思っていましたが、雨の強まったので断念し、早めに就寝しました。
最終日は宿でゆっくりと朝食をいただいてから磯へエントリー。
口之島11:25着の予定で、10:00までには帰る準備を終わらせなくてはなりません。
釣り場を見て回る感覚で磯やゴロタを2時間弱だけのランガン。
潮がなく、ルアーにはバイトもチェイスもありませんでしたが、トカラで竿が出せた喜びを1キャスト毎に込め、自分なりに納得して納竿時間を迎えました。
パッキングを終わらせ、シャワーを浴び、昼前のフェリーに乗り込み、宿の弁当を肴に山口県から一人でGTにチャレンジしにきたという将来有望(笑)な21歳の若者を交えて談笑を楽しみ、18時半頃に鹿児島港へ帰港。
Yさんと再び合流して4人で美味しい鶏とラーメンを堪能し、市内で一泊して翌昼のフライトで鹿児島を後にしました。
トカラにまつわる様々なことを教えていただき、最高の釣り旅をアテンドしてくださった堀さんには感謝しかありません。
一生モノの思い出、本当にありがとうございました。
今回のトカラ遠征で反省すべき点はもちろん、システムや荷物に再考の余地がありますので、それを踏まえてまたいつかこの素晴らしい絶景の島を訪れたいと思います。
担当者2:西浦伸至

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