釣りは魔法のコミニュケーションツール
●釣行日 :2016年11月4日
●ポイント(場所):佐多岬
●フィールドテスター 赤木光広
●使用ルアー/ジグ :パープルイズム プロトペンシル150S
●使用フック/サイズ:STX-58#2/0
●魚種/全長(cm) :
●タックル :
ロッド : ミュートス アキュラ100HRG
リール : シマノ ステラ6000H
ライン : 撃投PEフラッシュ3号
リーダー : クレハプレミアムマックス 50ポンド
鹿児島県大隅半島の先端に位置する佐多岬。
鹿児島空港から車で錦江湾を右に眺めながら南下していくと2時間半。そこには黒潮洗う雄大なスケールのロックショアエリアが広がる。
黒潮の恩恵をもろに受け、回遊魚は勿論、ヒラスズキや根魚なども豊富なフィールドである。
私が初めてこの地を訪れたのは2011年の雑誌社の取材で初夏の頃であった。
普段南紀を中心に活動している私にしてみれば当時、その魚影の濃さには大変驚かされた記憶が鮮明に残っている。
この地のメインターゲットは何と言ってもカンパチだ。
佐多岬で釣れるサイズは大型も多く、私も何度かラインを切られて悔しい思いをした。
今回その佐多岬へは晩秋の11月初旬の釣行を計画した。
予めロッドを現地の友人宅に送り、私一人関空からLCCにて鹿児島空港までのフライトとなる。
鹿児島に到着したのは1時間後のことであった。
アライバルゲートを過ぎると既に友人4人がお出迎えしてくれている。
4年前に佐多岬で知り合ったKFC(鹿児島フィッシングクルー)のメンバー達である。
その4年前。当時私と友人の2人で佐多岬を訪れたものの、台風で渡船が欠航となりしかたなく堤防で青物を狙う事となった。
防波堤の先端では既にルアーマン2人がキャスティングしており、我々はその手前のスペースに入る前に挨拶と確認を兼ねて一声掛けた。
「おはよう御座います。手前の方で釣りをさせて貰っても構わないですか?」確かそう声を掛けた記憶がある。
そんな何でもない挨拶がキッカケで彼らとは非常に親しくなり毎年鹿児島を訪れる際は連絡を入れ、釣りは勿論、
BBQで一杯やったりと、以来親しくお付き合いさせて頂いている。
今回、そのメンバーである友人宅に二晩泊まらせてもらった上に沢山の美味しい鹿児島食材やブランド焼酎まで御馳走になった。
さて釣りの方はというと、私を含めたメンバー8人で2人1組となり4ヶ所に分かれて佐多岬の沖磯でカンパチを狙うこととなった。
佐多岬周辺のポイントは西も東も回遊魚が狙え、シケにも強く、西がダメなら東側。東がシケれば西へといった塩梅になる。
ヒラスズキが出るポイントも豊富にあり、必ずそのタックルも準備しておきたい。
この日私と東村君はメガネ横瀬という一級瀬に渡礁することができた。岩が波でクリ抜かれ、メガネの様な形をしていることからその名が付いたそうだ。
その瀬をかすめる満潮前の潮は北へと上り流れの速さは川の様相を呈している。
ここ最近は状況が悪いのか、ルアーでの釣果が乏しく、潮色も薄い感じでベイトの気配が伺えない。その性かルアーマンが我々以外には殆ど居ない。
しかしそこは佐多のポテンシャル。いつ何時水面が炸裂するかわからない。東村君には早速大型のシイラがヒットしている。
メーターを超えている割には地味なファイトで大した締め込みさえなく、すんなりと取込めた。
やはりベイトが少ない性か、十分な捕食が出来ぬまま体力も落ちているのだろう。
ロングキャストで広範囲に攻めるも私には何のチェイスもなく、ここで満潮から下げだした潮の向きが南へと変わった。
私の次回予定作のプロトのペンシルで水面直下を波動を効かせて攻めてみる。
序々に流れが勢いを増す頃、鋭いアタリとともに水面から大きな水飛沫が上がった。
その魚のスピードは今までに体験したことがないほど速く、水面を切り裂くラインの勢いは尋常ではない。
しかし下への突っ込みなどなく、やがて見惚れる程のグラデーションとくっきりとした縦縞模様の魚が旋回しながら浮いてきた。
友人が横で「グッドサイズのワフー(カマスサワラ)ですね!美味しいですよ~」、そうニッコリ微笑んでいる。
漢ギャフを打ち、取り込んだワフーは1m10cmの立派な魚体であった。
ジグのアシストフックさえも切っていく鋭い歯は、プラグでないとなかなか取り込めないそうで、この佐多でも殆どキャッチされていないらしい。
私も初魚種ということもあり、佐多岬で出会えた魚として非常に嬉しい。これで今晩のBBQでのビールも一層美味しくなる。
そのBBQを大勢の仲間達と夕方に控えているので早めの14時に納竿となり佐多岬を後にした。
コンロの上には鹿児島牛、黒豚、薩摩地鶏、天然ウナギ、イノシシなど、
仲間10人も集まれば沢山の美味しい食材を持ち合わせてもてなしてくれる男前の薩摩隼人たち。
釣りを通じて4年前に防波堤での挨拶がきっかけで知り合い、今ではこうして自宅に泊めてもらい大勢で酒を酌み交わす。
釣りをしていなければまず知り合うことなど無かったはずの仲間達。
少しの挨拶や譲り合う気持ちが人を寄せ合いそして関係を深めていく。
魚だけを追い求めるのもいいが、私にはこういった釣りの方が性に合っている。
さて来週は四国へと現地を友人を訪ねヒラスズキを求めて磯遊びの予定。
仕事帰りその友人からのメールは「前の日から来て我が家に泊まれば」と。
晩秋の三日月を見上げ、何と自分は幸せものだと「釣り」を与えてくれた無き父に深く感謝する。
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