【担当者より】・バラシを防ぐ、二通りの考え方
フックアウトは魚の強烈な引き加重で、魚の肉が引き裂かれハリ穴が拡大し、そこからフックアウトすることが一因となります。
ハリ穴が拡がれば、魚とのファイトではりがスッポぬけてばれやすくなるのは道理です。
自分はかつて
スティンガージギングフックシリーズ
「41,」「51,」「38,」
ジガーライト
「早掛」
「ホールド」
「しわり」
ジガーミディアム
「ロック」
などの形状デザインを担当してきました。
それらの仕事から得てきた、バレに対するフックにおいて作用について、
ハリの持ち得る機能でどう対抗するかを、考えてきました。
考え方は大きく二つに別れます。
●バレを防ぐにための考え方その①
多くの魚肉を掴み、しかもその過重を分散するデザインにすること。
ハリ穴を拡大せずにバラシを防ぐ発想です。
この考え方を最初に導入したのはSJ38で、その効果に確信を得て、さらに「早掛」→「ロック」へと同じ発想を取り込みました。
(※ジガーライト「しわり」については、さらにハリ全体のフレックス性に着目していて、これはこれでまた別の機会にお話しさせてください。長くなりますので)
●バレを防ぐ考え方、その②
これはその①とは真逆の発想です。一ヶ所に魚肉を集中することで、魚肉を固定してフックアウトを防ぐ発想です。
それぞれ、メリットもあればデメリットもあります。
その①では、ハリの掛かりどころを選びにくく、ハリ先が触れたら、スレでもなんでも「とりあえず掛ける」こと。いわゆる閂などのばれにくいところにハリ先が立つかどうかは、わかりません。
その②では
一ヶ所に魚肉が集中するため、ラフなガチファイトをすると魚肉を引き裂いてしまうこと。
といった相反するものがあります。
今日レポートをいただいた、ジガーライト早掛は、その①系の加重分散系フックですから、細軸の割には画像のように魚の魚肉は比較的裂かずに済んでいます。
ところが、もし同じことをジガーライトホールドでやってしまうと、残念ながら魚肉はもっと裂いてしまうことが多くなります。ショアはオフショアと比較すると、どうしてもここぞというときにハードな対応が求められてしまいます。
ドラグで調整しながら巻き上げてくる船の場合だと、比較的優しくやり取りできるためジガーライト「ホールド」の効果が大きくなってきます。
今日いただいたレポート画像は、ジガーライト早掛の過重分散する特性がよく表現されていて、少しそのことを書かせていただきました。
また、細軸のシリーズであるジガーライトでは、たとえ、早掛を使用していてもラフなファイトをしてしまえば、軸の細さで肉を裂いてしまうことになります。通常ならツインで使用し、ハリ2本での加重分散をおすすめするのはそのためです。
この画像のサイズの魚で、ツインではなく、一本でこんなに綺麗に出血もなくランディングされていることから、落ち着いたファイトスタイルが伺い知れる気がしました。
磯で、ラフファイトせざるを得ない場合には、ジガーライトよりも太軸で、かつ加重分散型でカエシも大きい「ロック」をおすすめするのはそういった理由からです。
魚肉を多く掴み、過重を分散し、しかも軸は丸軸断面で魚肉を引き裂かず、カエシはデカい。
ハリ穴が拡がらないから、カエシがちゃんと機能するわけです。
この話しは、近日発売予定のファイアフックのご説明をするのにも繋がる話ですし、フックや、アシストフックの自作を始める方には特にぜひご理解いただきたいことです。手書きのイラストの意図もよく見てくださるようお願いしたいです。
今日のレポート画像を拝見し、営業途中の車のなかで、スマホでざっと書いた文章です。乱文ですいません。
続きます。
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